①水に溶かした界面活性剤は、油汚れを浮かせ、汚れを水中に分散させて汚れをはがす。
一度はがした汚れがつかないないようにする。
②油になじむ親油基が汚れとくっついて取り囲む。
汚れの外側は水になじむ親水基が水とくっついて覆う。
③すると汚れの表面張力が弱まってはがれやすくなる。
④周りを親水基に覆われた汚れは水にひかれて完全にはがれる。一度汚れがはがれると、生地や皮膚表面に界面活性剤の分子がくっつく。
親水基同士は反発しあうので汚れは再付着しない。
主な違いは界面活性剤の種類です。
合成の界面活性剤か天然の界面活性剤かということですが、実は似ているようで大きく違います。
合成(シャンプー剤) | 天然(手作り石けん) | |
---|---|---|
分解性 | 分解性がない | 速やかに分解する |
肌への刺激 | 強い | 弱い |
肌への浸透・残留 | する | しない |
洗浄力 | 強い | 調整できる |
保湿性 | 低いため添加 | 高い |
pH(ペーハー) | 多くは弱酸性(人の肌に近い) | 弱アルカリ性(犬の肌に近い) |
原材料 | 合成界面活性剤、脂肪酸エステル系 アミノ酸系、高級アルコール系 |
オイル(含有脂肪酸、pHを選択したもの) |
目的 | 被毛の手触りをよくする いい香りにする |
皮膚を洗浄する |
メリット | デメリット |
---|---|
薬用や美容など種類が豊富 | 肌の深部に浸透しやすい(経皮毒の吸収) |
手に入りやすい | 刺激が強い |
泡立ちがいい | 十分にすすいでも肌に残る |
目に染みないなどの特徴を持つものもある | 強力な脱脂力と洗浄力を持っている |
比較的に安価 | 肌のタンパク質を変性させる(ゆるめて溶かす) |
市販のほとんどを占める | 肌の上で皮脂を流し続け、バリア機能を低下させる |
市販のシャンプーは手軽にどこでも買えるため、犬を初めて飼われる場合など特に、ペットショップや量販店、ホームセンターのペットコーナーなどでシャンプー剤を選ばれるのが普通だと思います。
しかし、合成の界面活性剤を使い続けると、正常な皮膚のタンパク質(皮膚のタンパク質とは、セラミドやコラーゲン、エラスチンの元など)を溶かし、バリア機能を低下させ続けます。
人間のまぶたほどの薄さしかない皮膚で、どんな種類の合成界面活性剤を使っているか不明、どんな合成の添加物が含まれているか不明なものを使う。ものすごく刺激の強いものかもしれません。犬のシャンプー剤は法律上雑貨扱いのため、内容成分の表示義務がありません。なので、有害なものが例え含まれていたとしても記載しなくていいのです。
実際ペットコーナーで10種類以上のシャンプー剤の裏の表示を見てみました。有効成分や薬用成分、いい香り、つやつやの被毛、などの耳障りの良いうたい文句が並んでいるばかりで、肝心の原材料について書いてあるシャンプー剤は2種類ほどしかありませんでした。
そもそも目的が違うのです。きれいな見た目といい香りにするシャンプー剤。犬の皮膚をきちんと洗う手作り石けん。
そんな市販のシャンプー剤を使い続けると、お肌の丈夫な子でも、どんなお肌になってしまうか想像するのは難しいことではないと思います。
肌の底力を弱らせ、アレルギー反応を起こしやすく、乾燥したり、乾燥しすぎて皮脂が過剰分泌したりするような痒みのあるお肌になってしまう子がとても多いのです。
できることならそうなる前に気がついてあげたいですが、なかなか難しいため、トラブルが起きてからでも、一度市販のシャンプーを使うことについて、ちょっと立ち止まって考えてもらえたらなと思います。
そしてそのトラブル肌から抜け出す手助けの一つとして手作り石けんがお力になれたらいいなと思います。